名盤の音源探求

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名盤の音源探求-No.2:『ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》』/イシュトヴァン・ケルテス

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SSHRS-003/004

漸く名盤音源探求第2弾に着手することができませんでした。今回はクラッシックの名盤から、ドヴォルザーク交響曲第9番《新世界より》』/イシュトヴァン・ケルテス を取り上げさせていただきます。

 

<名盤紹介>

ケルテスによる「新世界」は、同曲の名盤として最もよく取り上げられる盤ではないかと思います。また、当時30代の若き将来有望な指揮者が、世界最高峰のオーケストラであるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を率いて、オーケーストラのポテンシャルを最大限までに引き出すことに成功した名盤として高く評価されています。録音は1961年で新しい録音とは言えませんが不朽の名盤であり、録音状況も当時のものとしては良好といえると思います。特にクラッシック音楽はあまり聴き慣れていない、という方には最初の1枚としておすすめのアルバムです。

<音源の探求>

当アルバムの音源は3種の音源で比較を行うこととしました。残念ながらCD化初期の盤は入手できませんでしたが、2001年のリマスター版CD、STEREO SOUND版、Esoteric版の3種を比較してみました。

①【CD】 UCCD-7005:DECCA(ユニバーサル)
国2001年にデジタルリマスターされたCD盤で、廉価版として発売されているCDです。

<音源評価:★★★☆>
とてもバランスの良い音に仕上がっています。適度のに音のコントラストも高く、本盤の良さを十分に感じ取ることができます。また、解像感も高く、デジタルマスタリングにおける適度な加工が加えられたのではないかと考えられます。

 

②【SACD】 SSHRS-003:ステレオサウンド

ステレオサウンド社によると、オリジナルマスターの音をそのまま再現することを目指し、マスタリング時も最小限の加工に留めた盤とのことです。現在は廃版となっています。

<音源評価:★★★★>

今回視聴した盤の中では音圧が一番抑えられています。一方、ウィーンフィルの特徴である美音がよく再現されていると感じました。①と比べて音にしなやかさがあるのはハイレゾDSD)音源であることの恩恵なのでしょうか。派手さはありませんが手元に置いておきたいと思う1枚です。

③【SACD】 ESSD-90015:エソテリック

エソテリックによるSACDのシリーズの中でも特に高い評価が得られている盤で、流通数も少ないことからとても高値で取引されている盤です。

<音源評価:★★★★>

今回視聴した盤の中では最も高い音圧でコントラストも高い音に仕上がっています。解像感も高めにイコライジングされていると思われ、華やかな「新世界」を描いたケルテスの個性が際立って聴こえると思います。一方で、②とは対極にあり、オリジナルマスターの音を現代的に修復したというイメージの音作りですので、好みが分かれるかもしれません。なかなな入手が困難な盤ですが、ぜひ聞き比べていただきたいと思う一枚です。

以上、3つの音源を比較しましたが、初期のCD盤の視聴ができなかったため、どの盤もマスタリングの水準は高く、外れはないと思います。あとは好みの問題となると思いますので是非本レビューを参考にしてください。